フリーランスとしてデザインやコーディングの案件を進めていると、当初の契約には含まれていなかった作業を後から依頼されることって、意外とよくあります。
たとえば、こんなケースに心当たりはありませんか?
- 「このデザイン修正、わたしがやる予定だったっけ?」
- 「打ち合わせに参加って、見積もりに入ってた?」
- 「仕様が変更されたのに、納期は据え置き…?」
このような「予定外の要望」に直面したとき、すべて対応すべきなのか?追加料金や納期交渉をすべきなのか?・・・迷いますよね。
今回は、そんな「クライアントからの修正・追加依頼にはどこまで対応すべきか?」をテーマに、フリーランスとしての適切な線引きと対応の考え方をお伝えします。
- 案件ごとに追加作業が発生しがちで、対応に悩んでいるフリーランスの方
- クライアントとの認識ズレやトラブルを未然に防ぎたいWeb制作者
- 見積・納期・作業範囲の交渉に自信がない駆け出しのフリーランス
- 自分の時間とリソースを守りつつ、安定して仕事を続けたい個人事業主
トラブル回避の第一歩は「制作範囲の明確化」から
フリーランスがクライアントと良好な関係を築くためには、対応範囲を事前に明確にしておくことが非常に重要です。
あとから「それもお願いできますか?」と依頼が増えてしまうのは、最初の段階で制作範囲が曖昧であることがほとんどです。
制作前に必ず合意しておきたい基本項目
案件スタート時に以下の項目を明文化、またはメールなどで書面として残しておくことが、後々の認識違いを防ぐカギになります。
デザイナーのお仕事でよくありそうな項目を例で挙げてみました。
- 対応ページ数
- 作業範囲
- 納期
- 採用する仕様・内容
対応ページ数(例:最大10ページまで)
ページ数が曖昧なまま進めると、「あと1ページだけ追加してもらえますか?」が何度も発生することも。最初に明確な上限を伝えておきましょう。
作業範囲(例:WordPressの実装のみ)
「デザインもお願い」「SEOも対応してもらえますか?」といった依頼が後から来るケースは多いです。コーディング、CMS構築、デザインなど、それぞれの対応範囲を明示しておくことが重要です。
納期(例:発注から1ヶ月以内)
いつから納期カウントが始まるのか、明確にしておきましょう。「素材が届いていないのに納期だけは迫ってくる」ような事態を防ぐために、スタートの基準日を「発注日」や「全素材受領日」と定義しておくのがおすすめです。
採用する仕様・内容(例:提案時のワイヤーフレームや資料に準拠)
あとから「この仕様は変更してもらえるよね?」といった要求を避けるためにも、事前に提出した仕様書・デザイン案・構成資料などに基づく制作であることを伝えておくと安心です。
トラブルを防ぐために伝えておきたい補足ルール
基本条件に加えて、次のような補足ルールもできるだけ具体的に伝えておくことで、不必要な揉め事やリソース消耗を避けられます。
- デザイン・コーディングの追加は別途お見積もり
- ページ数の増加時は再見積もりが発生
- 打ち合わせ参加は初回のみ無料、それ以降は有料
- 納品から1ヶ月以上経過後の修正は追加費用の対象
- カスタマイズや技術的な要望は一度検証してから判断
デザイン・コーディングの追加は別途お見積もり
「1ブロックだけ」「ちょっと変えるだけ」といった軽微な修正も、積み重なると大きな工数になります。作業の大小に関わらず、原則として追加対応は有償であることを明確に伝えましょう。
ページ数の増加時は再見積もりが発生
最初に合意した範囲を超えるページ追加には、時間もコストもかかります。あらかじめ、ページ単価の目安も伝えておくと、クライアントも判断しやすくなります。
打ち合わせ参加は初回のみ無料、それ以降は有料
回数無制限でミーティングに呼ばれることを避けるため、「初回1回まで無料」「2回目以降は●●円/回」といったルールを設定しておくとスマートです。所要時間も上限(例:1時間まで)を設けるとさらに明確になります。
納品から1ヶ月以上経過後の修正は追加費用の対象
無償対応の期限を設定しておくことで、「納品から3ヶ月経って突然修正依頼が来る」といった事態を防げます。契約書やメールで“サポート期間”を明示しておくのが理想です。
カスタマイズや技術的な要望は一度検証してから判断
すぐに「できます」と答えてしまうのは危険です。仕様変更や技術的ハードルがある場合は、「対応可否は調査後にご連絡します」と一言添えておくと、リスクを避けやすくなります。
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こうした内容は契約書やメールなどで明文化できれば理想的ですが、最低でも打ち合わせ時や口頭で伝えておくことが重要です。
ちょっとした一言の共有が、後々の大きなトラブルを未然に防いでくれますので🤗
「ここから先は別料金」——防衛ラインを決めて交渉をラクにしよう
フリーランスがクライアント対応で疲弊しないためには、あらかじめ「ここまでは対応、ここからは追加費用」という線引き(=防衛ライン)を明確にしておくことが重要です。
制作範囲を事前に明示しておけば、「その対応は見積もり外です」と冷静に伝えるための根拠になり、追加費用や納期の交渉もしやすくなります。
ここでは、よくある依頼パターンをもとに、実際の交渉トーク例を紹介します。
ケース①:このデザイン修正、わたしがやるの?
最初から「軽微なら無料、以降は有料」と基準を明示しておくと、柔軟かつ納得感のある対応が可能になります。
ご契約内容では、今回はWordPressの実装のみとなっております。
追加でデザイン修正をご希望の場合、1ページあたり●●●●円の追加費用が発生いたします。
ただし、今回は1ページ分のみでしたら見積もり範囲内で対応可能です。2ページ目以降については、別途ご相談させてください。
ケース②:打ち合わせ参加も見積もりに含まれてる?
クライアントは「打ち合わせ=無料」と思っていることが多いので、早い段階でルールを共有しておくと安心です。
お見積もりでは打ち合わせ参加費は含まれておりませんが、
今回に限り、初回1回まで無料でご対応させていただきます。
2回目以降は、1回あたり●●●●円(所要1時間以内)でお願いしております。
ケース②:仕様が変わったけど納期はそのまま?
「努力します」の姿勢を見せつつ、現実的なスケジュール変更の交渉を行いましょう。
当初の仕様であれば、3/31納品が可能でしたが、
ご要望の仕様変更により、設計全体の見直しが必要となります。
そのため、最短でも+1週間のお時間をいただく必要があります。
ただ、可能な限り調整して、3日間の延長で対応できるよう努力いたします。ご確認いただけますか?
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このように、「最初に決めていたルールに沿って判断する」姿勢を持っておくことで、感情的にならずに交渉ができます。
事前に防衛ラインを設定しておけば、後から対応範囲のすり合わせで消耗することもなく、フリーランスとして安定した働き方を継続しやすくなります。
曖昧なまま進めると後悔する。線引きがあるから、自分もクライアントも守れる
「この案件、自分は何をどこまで対応するのか?」
一見すると当たり前のように聞こえますが、実際の現場では制作範囲が曖昧なままスタートしてしまうケースが少なくありません。
実はわたし自身も、フリーランスとして独立したばかりの頃は、「クライアントの役に立てるなら…」と、頼まれたことに何でも応えていました。
ちょっとした修正や相談、追加対応もすべて“サービスの一部”という感覚で、線引きをせずに引き受けていたのです。
でも、今になって思うのは、それが必ずしもクライアントのためになっていたわけではないということ…😰
- 境界が曖昧だと、どこまでお願いしていいか相手も分からない…
- 無理を続けると、自分のリソースや心が先に限界を迎える…
- 結果として納期遅延や品質低下につながる可能性もある…
こうした状況を防ぐためにも、「ここまでが対応範囲」「ここからは追加費用が必要」という明確な線引きが必要です。
線を引くことで生まれるのは“冷たい距離”ではなく、お互いに安心して仕事ができる適切な関係性です。
【まとめ】制作範囲を明確にすることで得られる4つの大きなメリット
フリーランスとして案件をスムーズに進めるためには「制作範囲の明確化」が欠かせません。
対応内容を事前にきちんと決めておくことで、以下のような具体的なメリットが得られます。
- 予期せぬ追加作業を回避できる
- 認識違いによるトラブルを未然に防げる
- 正当な報酬や納期の交渉がしやすくなる
- 自分の時間と働くペースを守れる
これらのメリットは、フリーランスとして長く安定的に働き続けるための土台とも言えるものです。
次回の記事では、「制作範囲を明確にして信頼関係を築く方法」についても詳しく解説していきます。そちらもぜひご覧ください!
