フリーランスになると、パソコンやiPad、カメラ、外付けモニターなど、高額な機材を買う機会が増えますよね。
でも、ちょっと待ってください!こんな話を聞いたことないですか?
「10万円を超えると経費にならない」と。
――これは本当なんでしょうか?
実は、この“10万円ルール”を理解していないと、知らぬ間に損をしてしまうことがあるので、注意が必要なんです。
そこで今回の記事では、初心者フリーランスでもスッと理解いただけるように10万円ルールの詳細と、減価償却の基本から損をしない処理方法までまとめました。
- 初めて確定申告を迎えるフリーランス1〜3年目の方
- MacBookやiPadなどの高額機材を仕事用に購入した方
- 「10万円以上だと経費にならない?」と不安を感じている初心者の方
- 経理や税金が苦手で、なるべく簡単に経費処理を理解したい方
減価償却とは?フリーランス初心者でもわかる基本の仕組み
なぜ10万円以上の機材は一括で経費にならないの?
「減価償却(げんかしょうきゃく)」という言葉、ちょっと硬いですよね。簡単に言うと、「長く使うモノの価値を、年ごとに少しずつ経費として計上する」仕組みです。
たとえば、20万円のPCを買ったとします。
それを「1年で全部経費に!」としたら、次の年からはゼロ扱い。でも実際はまだ使い続けますよね?そのため税法上では「4年くらい使うよね」として、4年に分けて経費にしていくのです。
会計ソフトを使えば自動で計算してくれますが、仕組みを知らないと入力時に混乱しがち…。つまり「経費にならない」のではなく、「時間をかけて経費にしていく」だけなんです。
減価償却の対象になるモノとならないモノを見分けよう
減価償却の対象は「10万円以上で1年以上使うもの」。つまり、”長く使う仕事道具”が対象です。
- ノートPC/デスクトップPC
- iPadや液晶タブレット
- デジタルカメラ、レンズ
- オフィスチェア、デスク
- 大型モニター
このあたりはすべて減価償却対象です。一方で「文房具」「電気代」「名刺印刷」などの短期使用モノは「消耗品費」扱いでOKということになります。
ちょっとした違いですが、ここを間違えると確定申告時に数字がズレが出てくるんです…。つまり、“経費の判断”は仕事とお金の両方を守る大事なスキルということですね。
「10万円ルール」で損しない!経費処理の考え方まとめ
10万円未満なら「消耗品費」で即経費処理できる
まず安心してほしいのは、10万円”未満”のものはその年に経費として一括で落とせるということ。たとえば、9万円のタブレットや8万円のディスプレイならOK!ということになります。
「減価償却」と聞くと難しく感じますが、実際には”即経費”で処理できる範囲が広いんです。そのため、仕事道具の買い方を工夫すれば、支出をスマートにコントロールできるんです。
10万円以上〜20万円未満は「一括償却資産」で3年計上がおすすめ
また、「10万円を超えたからアウト…」と思うのは早いです。実は、10万円以上〜20万円未満のものは「一括償却資産」として、3年で均等に経費化できます。
たとえば、18万円のPCを買ったなら、1年あたり6万円ずつ経費になるイメージ。この方法を使えば、複雑な計算なしで自然に節税できるんです。
20万円以上の機材は「通常の減価償却」で計上しよう
20万円を超えると、いよいよ本格的な減価償却の世界です。
パソコンなら耐用年数4年、カメラなら5年など、国が定めた期間に応じて分割します。
とはいえ、心配はいりません。
いまはfreeeやマネーフォワードなど会計ソフトが自動で按分してくれるので、主に覚えておくのは「年数の目安」と「登録時の区分」だけでよくなりました。
焦らず、”長く使う道具ほど分けて計上”という考え方を覚えておけばOKです!
減価償却で損をしないための3つの節税ポイント
①購入時期で変わる!減価償却のタイミングを味方にしよう
実は、減価償却は“購入タイミング”で節税効果が変わるんです。
たとえば12月に買えば、その年から減価償却がスタート。1月に買えば翌年からです。
「え、1ヶ月でそんなに違うの?」と思うかもですが、たとえば年末にPCを買うと、その年分の経費が少しでも加算されます。
つまり、“年末調整前の買い物”は税金調整のラストチャンスということですね。
②補助金・助成金利用時の減価償却処理の注意点
機材を補助金で購入する場合は、補助された分を”引いた金額”で減価償却する必要があります。
たとえば20万円のうち10万円を補助金でまかなったら、自腹分の10万円だけが対象になります。
ありがちなミスが「全額を経費に入れてしまう」パターン…。これをやると税務署から指摘を受けることもあるので要注意ですね。
経費処理の際は、「補助金控除後の金額」で登録するようにしましょう!
③会計ソフトや税理士を使えば減価償却の判断がスムーズに
減価償却は、慣れないと「科目」「耐用年数」「残存価値」など、ちょっとややこしく見えるかもしれません。
でも、freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトなら自動判定してくれるので、怖がる必要はありません。
また、自分で判断できないときは税理士に相談するのがベストです。「買っていいタイミング」「分割計上で有利なケース」など、具体的なアドバイスがもらえることもあります。
フリーランス15年以上のわたしが思う「お金や会計」のこと
経費や節税って、知識がないと本当に判断がむずかしいですよね。
わたしも昔は、わからないことをネットで調べまくっていましたが、時間ばかりかかって正解が見えず…。
そこで気づいたのが、「自分の時間もコスト」ということ。それ以来、解決できないお金の問題があれば、迷わず税理士さんにお願いするようにしています。
会計ソフトを使えば減価償却や経費処理もスムーズになるんだけど、フリーランスを続けていくと融資や補助金、ローンなどお金の悩みはつきものです。だ
自分の本業に集中するためにも、最終的には専門家に頼るのがベストアンサーだということです。
減価償却を理解すると、フリーランスの経費設計がラクになる
本題に戻りまして――
減価償却を理解すると、単に「節税」ではなく、キャッシュフロー設計がうまくなります。つまり、「いつ・どんな機材を買えば負担が分散できるか」が見えるようになるんです。
たとえば、年始にPCを買うより年末に買ったほうが経費計上が早い。また、仕事が増える時期に備えて設備投資を前倒しすれば、税金の負担をうまく調整できます。
フリーランスにとってお金の流れは”体力”。減価償却を味方にすれば、「買う=不安」ではなく「買う=設計」に変わります。
【まとめ】10万円ルールと減価償却を味方にして、賢く節税しよう
最後に、今日のポイントを整理しておきましょう!
| 区分 | 処理方法 | ポイント |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 消耗品費で一括処理OK | 当年の経費にできる |
| 10〜20万円未満 | 一括償却資産で3年均等 | 登録時に「一括償却資産」を選ぶ |
| 20万円以上 | 減価償却(耐用年数に応じる) | 会計ソフトで自動処理可能 |
「なんとなく経費に入れていた」を卒業して、”仕組みで考える経費管理”へ。10万円ルールを理解するだけで、確定申告がラクになり、ムダな支出も減らせます。
これから高額な機材を買う方は、ぜひこの記事をブックマークしておきましょう!
確定申告の際には必ず国税庁のHP等で最新情報をチェックするか、不明な点があれば税理士さんに相談するようお願いします。
