「また安く受けちゃったかも…」と、納品後にズーンと落ち込むあの感覚。
そんな思いをしたこと、ありませんか?
たとえば「トップページ+下層3ページ」で3万円。実際に作業してみたら、何十時間もかかって、時給換算するとビックリするほど低かった…。それでも、「まだ実績ないし」「断られたら怖いし」って、自分を納得させるしかなかったりして。
――でも、それって本当に「未経験だから仕方ない」で、すませていい話なんでしょうか?
この記事では、そんなモヤモヤの原因に向き合いながら、“適正価格で契約するための考え方と交渉術”を一緒に整理していきます。
ちょっと勇気がいるかもしれません。でも、その一歩があなたの働き方を大きく変えるきっかけになるはずです。
- 未経験・駆け出しのフリーランスWebデザイナー
- 毎回つい安く見積もってしまい、後でモヤモヤしている方
- 単価交渉に自信がなくて、いつも”言いなり価格”になっている方
- 「価格を上げたいけど断られそう…」と不安を感じている方
未経験でも「適正価格で契約していい」理由
「未経験だから安くしなきゃ…」と思っていませんか?
――それ、実はただの”思い込み”です。
“格安で受けなきゃいけない決まり”なんて、どこにもありません。
大事なのは“安く売る”ことじゃなくて、”納得して受ける”ことです。たとえまだ実績がなくても、何十時間もかけて丁寧に仕上げたWebサイトが、時給数百円レベルじゃ、やる気も気力もスーッと削られていきますよね…。
「実績ないし…」と自分の価値を下げる必要はありません。未経験と無価値は、まったく別モノです。むしろ未経験の今こそ、価格の伝え方やマインドセットを整えておくことが、今後の働き方に効いてきます。
適正価格で契約できる人は、スキルよりも”伝え方”が上手なだけ。まずはそこから見直してみましょう。
安く見積もってしまう人が抱える3つの”誤解”
- まだ実績が少ないから安くするべき…という誤解
- 高くしたら断られそう…という誤解
- 周りはもっと安いし…という誤解
①まだ実績が少ないから安くするべき…という誤解
未経験や実績が少ないと、「まだ高い金額なんて言えないよね…」と遠慮しがちですよね。でもそれ、本当に必要な”配慮”でなのかな?
価格って、経験年数で決まるんじゃなくて、相手にとっての”価値”で決まるものです。たとえ初案件でも、丁寧なヒアリングや、思考整理、対応の安心感など、あなたの仕事には必ず価値があるはずです。
「実績が少ない=価値がない」じゃなくて、「実績が少ない=これから伸びしろがある」なんですね。
過度な値下げは、安売りの癖をつけるだけ。最初から”適正ライン”を知っておくことが、自分を守る第一歩です!
②高くしたら断られそう…という誤解
値上げはたしかに、ちょっと腰が引けますね。「え、高い」って言われたらどうしよう…とか、「そんなに価値あると思われてないかも」とか。
でも実際、ちゃんと理由を添えて価格を伝えたら、納得してくれるクライアントは多いです。
それに、もし断られたとしても、それは”あなたが悪い”のではなく、単に相性が合わなかっただけ!お互いの期待値が違っただけ!そう考えれば罪悪感もありませにんよね。
安くても疲弊して続かない働き方より、納得感のある契約を積み上げていく方が、長く続けられるフリーランスになれますよ。
断られるのが怖くて下げた価格は、あなたの未来の足かせになるかもしれません!
③周りはもっと安いし…という誤解
SNSやクラウドソーシングを見ていると、「この内容で1万円?」「みんなそんなに安いの?」と焦る気持ち、わかります。
でも、他人の価格って、”背景”が違いすぎて自分と比較できないんですよね。同じフリーランスのWebデザイナーでも、副業でやってる人やテンプレで効率化してる人、とにかく最安値でやる人、スピード重視の人…。条件も狙いもバラバラですなんです。
なのに「自分もそこに合わせなきゃ」と無理に下げてしまうと、自分の生活や働き方に合わなくなって苦しくなるだけです。
「他人の値付け」は参考にはなっても、正解じゃありません。周りと比べるより、「自分が納得できる価格か?」「この価格で疲れすぎないか?」という視点で判断することを心がけてみてください。
その方が、心も体もすり減らさずに仕事を続けられますよ!
適正価格で契約するための3ステップ
STEP①|まずは「自分の最低ライン」を知る
見積の前に必ずやるべきなのが、「自分の最低ライン(これ以下だと生活が回らない金額)」を明確にすること。
これがないと、価格設定がふわっとしたままになるし、クライアントに言われるがまま価格を下げてしまったり…と。とにかく、あとから「え、これ赤字じゃん…」と青ざめることになります。
たとえば、月に20万円の収入が必要で、稼働時間は週5日×5時間だとしたら、1時間あたり2,000円は必要ということになりますね。それを下回る仕事が積み重なると、生活もキャリアもじわじわ苦しくなるだけ。
「このくらいかな?」の感覚見積もりではなく、ちゃんと数字で把握することが大切です。
わたしのおすすめは、Notionやスプレッドシートで”時給逆算表”みたいなものを作ること。見える化しておくだけで、価格に迷わなくなりますし、交渉の根拠にもなります。
価格の基準を「自分の中」に持つことが、安売りグセを断ち切る第一歩です。
STEP②|納得されやすい見積もりをつくる
ただ「◯万円です」と提示するだけでは、相手はその価格に納得しづらいものです。
特に未経験だと、「なぜこの価格なの?」と突っ込まれたときに説明できず、焦って値下げしてしまう…なんてケースも少なくありません。
そこで大事なのが、価格の「内訳」や「背景」を伝えること。たとえば「デザイン制作:○時間」「構成設計:○時間」「修正対応:○時間」のように、項目を分けて説明すると、相手も工数と価格の関係をイメージしやすくなります。
「高いですね」と言われる原因の多くは、”理由がわからないから”だったりします。
また、こういった見積もりの透明性は、信頼獲得にも直結します。「この人はちゃんと考えてくれてる」と思ってもらえることで、価格以外の判断軸(安心感・プロ意識など)でも選ばれるようになるはずです。

STEP③|断られにくい交渉の伝え方テンプレ
価格交渉って、ちょっと緊張しますよね。特に未経験のうちは、「値段を伝えるだけで手が震える…」なんて人も多いかもしれません。
ですが、ちょっとした伝え方のコツを押さえるだけで、グッと通りやすくなります。
まず大前提として、「申し訳なさそうに言わない」こと。
たとえば「8万円になりますが…大丈夫でしょうか?」と不安げに伝えると、相手も「え、強気な金額なのかな?」と不信感を抱きやすくなります。
代わりに、「工数やサポート内容をふまえて、今回は◯万円〜でのご提案です」と根拠ある金額+柔軟性をセットで伝えるのがコツ。さらに、「予算に応じて、対応範囲を調整することも可能です」と添えれば、クライアント側も安心感を持って話し合いにのってくれます。
交渉とは、押し売りではなく”すり合わせ”のプロセス。言いにくさを乗り越えたその先に、自信と信頼のある契約が待っています。

【参考】単価交渉でやってはいけない3つのNG例
最後に、価格交渉がうまくいかない原因をいくつかピックアップしてみました。
主にその原因って「伝え方」よりも「やり方」にあるのかなと思います。
避けるべき落とし穴を知ることで、失敗を未然に防げるはずです。
- 「今だけキャンペーンで…」と安売りする→ 信頼より”安さ”で選ばれてしまい、リピートにつながりません。
- 相場を知らずにふっかける→ 適正価格を知らずに高すぎる金額を出してしまうと、逆に信頼を落とします。業界の相場+自分の工数+目的のバランスが重要です。
- クライアントを値切り返す→ 「それだと安すぎるので無理です」だけでは角が立ちます。「実績づくり価格ではあるのですが、内容を調整すればご予算内でも対応可能です」など、代替案を添えましょう。
【まとめ】”価格”はあなた自身を守るスキル
単価を決めるって、「お金の話」じゃなくて、あなた自身の価値をどう扱うかという選択なんです。
安く受ければ、それだけ気力や時間が削られる。。。納得できる価格なら、自信を持って仕事に向き合える!――たったそれだけの違いが、積み重なれば働き方そのものを変えていきます。
「未経験だから…」と遠慮するより、「今の自分にできること」を、ちゃんと伝えられる人になっていきましょう。
怖くても、伝える勇気が次のステージへの鍵になります。ほんの少し言葉にするだけで、世界の見え方が変わってくるはずです!