フリーランスになると、確定申告や年金・国保の支払いなど「お金の管理」をすべて自分で行う必要が出てきます。
SNSにはiDeCoや小規模企業共済、国民年金基金などの節税制度があふれ、「結局どれを優先すればいいの?」と迷う人も多いのでは?
中でも、iDeCoと小規模企業共済は“節税できる積立制度”としてよく比較されますが、実は役割がまったく異なります。優先順位を誤ると、収入の波が大きいフリーランスほど資金繰りが苦しくなることもあるんです。
そこで今回は、フリーランスのお金のリアルを踏まえながらiDeCoと小規模企業共済「どっちが先?」「iDeCoは危険?」「併用は可能か?」という疑問について、わかりやすく整理して解説していきます!
- iDeCoと小規模企業共済のどっちを選べばいいか分からず、不安のまま時間が過ぎているフリーランスの方
- 節税したいけれど”手元の現金が減るのが怖い”と感じている副業・開業1〜5年目の個人事業主の方
- 制度の違いを調べても専門用語ばかりで、結局どう使い分ければいいのか判断できない方
- 収入の波があり、将来の積立よりも”いま事業を倒さない資金繰り”を優先したい方
なぜフリーランスは「iDeCoと小規模企業共済のどっち?」で迷うのか|本当の理由は”現金不足”
フリーランスの世界では、税金・保険・積立・経費管理などの”やるべきこと”が突然増え、何から手をつけるべきかの判断がとても難しくなります。
iDeCoや共済に関する情報を調べれば調べるほど、メリットばかりが目につき、どちらも始めないと損をするように感じるかもしれません。
しかし実際にフリーランスがつまずくのは、制度を知らないからではなく、「現金が手元に残らない」「固定費がジワジワ増える」「税金の支払いタイミングが読めない」といった、もっと現実的でシンプルな理由がほとんどです。
たとえば、住民税・国民健康保険・国民年金は6月〜8月に支払いが重なり、年明けには所得税の準備も必要になります。さらに売掛金の遅れ、予期しない出費、機材の買い替えなど、想定外の支出が重なる月が必ず訪れます。
こうした“お金の波”に対して一番強い制度は、小規模企業共済です。
逆に、iDeCoは積み立てた途端に老後まで引き出せなくなるため、現金が薄いフリーランスほど負担になりやすく、「iDeCoは危険」と言われる大きな理由にもつながります。
結論は「小規模企業共済→iDeCo」|フリーランスが失敗しない制度の選び方
フリーランスにとって何より大切なのは、”いつでも使えるお金”を確保すること。事業を続ける上で、最初に破綻する原因は「稼げないこと」ではなく「現金が尽きること」です。
小規模企業共済は「積立+緊急時の資金確保」が同時に叶う
掛金は全額控除され節税にもなりますが、それ以上に大きいのは、急に資金が必要になったときに低金利で借りられることです。
フリーランスにとって、これはほぼ”生命保険”のようなもの。資金ショートを避けるための保険的な意味合いが非常に強く、老後資金と事業資金を両方カバーする独特の制度なんです。
iDeCoは「未来のための積立」。途中引き出しができない
一方、iDeCoは老後資金の積み立てが目的のため、たとえ掛金が苦しくなっても、積み立てたお金を途中で引き出すことは不可能です。
掛金は5,000円〜とはいえ、フリーランスにとっては”固定費”に近い扱いになるため、売上が不安定な人ほど負担が増すことになるんじゃないかな。
こうした前提を踏まえると、
まずは小規模企業共済で”守り”を固め、その後に余裕が出てきたらiDeCoを足す
という順番が、現実的で安全だと思います。
「iDeCoは危険?」の真相|小規模企業共済と比較して分かる”リスクの正体”
ネットを見ると「iDeCoは危険」といった言葉をときどき見かけますが、制度自体が危険なわけではありません。問題になるのは、手元資金が不安定な状態で、固定の積立を増やしてしまうことにあるんです。
たとえば、売上が不安定な時期にiDeCoを満額で始めてしまい、「気づけば生活費がギリギリ。やめられないし、引き出せない…」という状況になってしまう方は珍しくないです。
iDeCoは”未来を豊かにする制度”。――ただし、そのためには目の前の生活や事業が安定していることが前提です。
小規模企業共済がフリーランスに圧倒的に向いている理由|iDeCoとの大きな違い
小規模企業共済は、将来の退職金として積み立てられるだけでなく、事業継続のために貸付制度を使い、急な支払いに対応することも可能です。
これはiDeCoにはない特性で、まさに「攻めない資産形成」。フリーランスのように波のある働き方では、この柔軟性が何より心強い武器になります。
iDeCoと小規模企業共済はどっちが先?|フリーランスは”現金余裕度”で判断すべき
制度選びに正解はありませんが、フリーランスにとっては “いまの手元資金の余裕度”が最優先です。
- 現金が薄い → 小規模企業共済だけ
- 生活防衛資金が半年以上ある → iDeCoも検討OK
- 節税を最優先にしたい → 小規模企業共済から
- 老後資金をしっかり積みたい → 共済+iDeCo併用
このように、まず事業の安全性を確保し、その上で未来への積立を追加する流れが自然ですね。
併用は”良いけど慎重に”。無理のない掛金設定がポイント
共済とiDeCoの併用は、節税額も積立額も増えるため、収入が安定している人には非常に有益です。
ですが、掛金を欲張りすぎて生活費や事業費が圧迫されてしまうと本末転倒ですね。
なので最初は、
- 小規模企業共済:5,000〜10,000円
- iDeCo:5,000円
みたいな”ゆるい設定”から始め、慣れてきたら増額する方が安全ですね。
【まとめ】フリーランスの最優先は「今を守る」こと。その上で未来をつくる
iDeCoも小規模企業共済も、とても優れた制度です。ただし、フリーランスにとっては「守り」と「攻め」の役割が全く違うため、「どっちが先か?」の問いへの答えは、ほぼ一択です。
- 小規模企業共済 → “いまの安全”
- iDeCo → “未来の安心”
まずは自分の事業と生活を安定させ、無理なく続けられる状態をつくること!
そのあとで、iDeCoのような将来の積み立てを足していけば、息切れせずに長く続けられるはずですよ。

