フリーランスや個人事業主の「もしもの備え」にぴったりなのが、小規模企業共済です。
節税しながら将来の退職金を積み立てられるこの制度は、実は“開業初年度”や“所得ゼロ”でも加入OK。
ただ、仕組みが少し複雑で「途中でやめたら?」「夫婦でも入れる?」「再度借入できるの?」など、気になる疑問も多いですよね。
そこでこの記事では、そんな小規模企業共済に関するよくある質問をわかりやすくまとめました。
Q.所得がゼロでも小規模企業共済に加入できる?
A.加入できます。
小規模企業共済は「事業を営んでいること」が条件なので、開業届を出してさえいれば売上がゼロでも問題ありません。たとえば開業初年度でまだ案件が少ない人や、副業で始めたばかりの人も対象です。
実際、開業1年目のフリーランスが節税と将来の備えを兼ねて加入するケースも多いですよ。
Q.小規模企業共済の掛金は後から減らせる?
A.可能です。
掛金は月額1,000円~7万円の範囲で設定でき、経営状況に合わせて年1回変更できます。
「今月は余裕があるから増やす」「今年は支出が多いから減らす」といった柔軟な調整ができるので、安定しにくいフリーランス収入とも相性が良い制度です。
Q.途中で小規模企業共済を辞めたらどうなる?
A.解約時期によって戻る金額が変わります。
加入から20年未満で解約すると元本割れの可能性がありますが、掛金の一部は「解約手当金」として戻ります。逆に、長く続けるほど受け取れる金額が増える仕組みになっているため、老後資金の積み立てとしてもメリットがあります。
Q.夫婦でそれぞれ加入できる?
A.可能です。
夫婦それぞれが個人事業主として開業している、または法人の役員として登記されている場合は、両方とも加入可能です。
たとえば「デザイン業とライター業」など別事業であれば、別々に掛金を積み立てることもできます。
Q.節税以外のメリットは?
A.節税だけでなく、「将来の安心」を備えられる点が魅力です。
たとえば廃業・引退時には退職金のように受け取れますし、もし万が一のことがあっても遺族が共済金を受け取れる仕組みもあります。
つまり、“もしも”に備えながら、同時に“老後”の資金を育てる制度なんです。
Q.小規模企業共済の掛金の支払い方法は選べる?
A.選べます。
口座振替または一括払い(半年・年払い)など、ライフスタイルに合わせて設定可能です。
特に口座振替にしておくと、払い忘れ防止になり、安定的に積み立てられます。
Q.共済金を受け取るタイミングはいつ?
A.共済金は「廃業」「65歳到達」「任意解約」など、条件を満たしたときに受け取れます。
受け取り方も一括・分割・併用の3種類から選択可能で、ライフプランに合わせて柔軟に設計できます。
Q.小規模企業共済の掛金は経費にできる?
A.経費ではなく「所得控除」に分類されます。
確定申告で「小規模企業共済等掛金控除」として全額を控除できるため、課税所得を減らす節税効果があります。
なお、青色申告・白色申告どちらでも利用可能です。
Q.小規模企業共済の加入の手続きはどこでできる?
A.全国の商工会・商工会議所、または金融機関(ゆうちょ銀行など)で申し込みできます。
最近ではオンライン申請も一部で対応が進んでおり、必要書類も「開業届の控え」や「本人確認書類」などシンプルです。
Q.共済金を受け取るときに税金はかかる?
A.かかりますが受け取り方によって扱いが異なります。
一括受け取りなら「退職所得」、分割受け取りなら「公的年金等の雑所得」として課税されます。
どちらも税制優遇があるため、通常の所得よりも税負担が軽くなるケースが多いです。
Q.貸付金を返済後、再度借入はできる?
A.可能です。
小規模企業共済では、一度貸付金を返済すれば再度の借入(貸付)ができます。
返済が完了していれば新規貸付として申し込み可能で、前回と同様に審査や手続きが必要です。なお、返済中でも「借換え制度」を使えば継続的な貸付が認められる場合もあります。
つまり、返済実績があれば、必要に応じて何度でも活用できる仕組みということですね。
